こんにちは!
自然素材・輸入壁紙を使った「住宅リフォームブログ」を運営している
東京都江東区のエーゼン大塚建設 代表の大塚健太郎です。
「マンションの結露やカビ」を取り上げたブログは大人気
この問題、みなさん高い関心があるようで、
当社のHP閲覧のうち「マンションの結露やカビ」関連のブログ閲覧が17%を占めています。
実際、カビの相談の中には
平成完成の築浅物件や
マンション再販売業者によるリノベ―ション済みのマンションもあります。
どうやら全ての施工会社が結露対策に熟知しているという訳ではなさそうです。
明らかに湿気の問題を抱えている洋室
賃貸ルームのリノベーションの相談を受けた物件ですが
北側洋室の外壁面がかなりカビていました。
賃貸なので投下出来る費用も限られています。
リフォーム着工の時点で、断熱改修工事は見送り、カビを除去してクロスを貼り変える方針になりました。
ところが
カビたクロスを剥がすと、下地のボードがボロボロ
とてもクロスを貼れる状態ではありませんでした。
急遽、ボードを貼り変える事にしました。
折角貼り変えるのですから、断熱ボードを使って結露対策もしようと考えました。
まさかの断熱ボード⁉
驚いた事に、この壁は断熱ボードが使ってありました。
私達が使おうと思っていた材料です。
これだけ結露の被害を受けている壁下地にまさか断熱ボードが使ってあるとは想像できませんでした。
でも待てよ・・・
この断熱ボード、GL工法で貼ってあります。
つまり断熱ボードの背後に空気層があるんです。
施工業者の勘違い
外壁に面する壁をGL工法でボードを貼る方法はマンションでは一般的です。
施工業者はGL工法に加えて断熱ボードを使用すれば結露は問題ないと考えたのでしょうが
それは大きな間違いです。
断熱材は外壁面に接して取り付けるのが効果的です。
断熱材を仕込んでも写真の様にその後ろに空気層があっては結露対策になりません。
ただお部屋の熱を逃がさないという断熱効果があるだけです。
隙間から入り込んだお部屋の暖かい空気がコンクリートの壁で冷されて壁の中で結露します。
いわゆる『内部結露』という現象です。
内部結露は木造住宅に限った不具合ではありません
良い材料を用意しても、その使い方が間違っていればマンションでも内部結露が発生します。
上の写真のコンクリート壁の黒部分は全てカビです。
表面のクロスを貼り変えてだけでは、いずれカビが生えてきます。
急遽、断熱ボードを中止!スタイロ直貼りに変更
垂木の間に30㎜のスタロフォーム断熱材をはめ込んでいきます。
この時大事なのがスタイロフォームをコンクリートの壁にピッタリと付ける事。
空間があるとそこに暖気が入り込んで内部結露をおこします。
さらに空気の流入を抑える
木枠とスタイロフォームの取り合い部にボンドを充填
空気の流れをシャットアウトします。
お部屋を「窒息させるイメージ」
これは防音工事と同じ考え方です・
さあ、これでこの賃貸ルームはカビ問題から解放されました。
マンションのカビにおける業界の問題とは?
平成築のマンションでもカビが生えてしまうのは何故でしょうか?
リノベ済のマンションで結露してしまうのは何故でしょうか?
建築基準法ではマンションの断熱性能に関する記述がありません。
木造住宅であれば補助金が得られるHEMSのようなエネルギー管理の仕組みがあります。
でもマンションではそれに相当するものがなく、
補助金が期待できそうなエコリフォームでも、マンションの外壁面積では必要な断熱材のボリュームがクリアできません。
つまりマンションにおいては断熱は法的な規制がある訳でもなく
断熱改修をした場合のメリットもないというのが現状です。
であれば、築古の中古マンションでは断熱性能はあまり期待できませんし
利益を追求するマンション再販売業者が手掛けるリノベで、わざわざ断熱改修する事は期待できません。
自分の財産は自分で守る
リノベ済の物件をマンション再販売業者から購入するにしろ
リノベ条件付きの中古マンションを購入するにしろ
結露対策、カビ対策については販売業者に確認する必要があります。
適切な断熱改修がされていなければ、オプション費用を払ってでも正しい方法で断熱改修をしてもらいましょう。
あなたの資産を守れるのはあなた自身ですから・・・
マンションリフォームに合わせて断熱改修もこだわりたい方は
エーゼン大塚建設でご相談いただけます。
お近くの方も遠方の方も永代ショールームにお越しください。