こんにちは!
自然素材・輸入壁紙を使った「住宅リフォームブログ」を運営している
東京都江東区のエーゼン大塚建設 代表の大塚健太郎です。
「プロなら事前に伝えていただかないと困ります!」
注文建具を付けた鴨居の溝がこすれて木の地肌が見えているのがわかります。
鴨居の溝に塗装する場合、
どんなに建て付けが良くても、いずれはこんな風に塗膜が剥げてきます。
これは工事をする側としては当たり前のこと、
だから、ペンキ屋さんは
「大塚さん、溝の中はどうします?塗っちゃって大丈夫ですか?」
と聞いてきます。
よくある例としてリビングに隣接する和室の場合がありますね。
白く明るくなったリビングで
和室の木枠だけが木の地肌が見えて来るのをどうするか?
時々、部屋じゅうを白くしたいという希望があるんです。
塗ることは出来ますが、
「いずれ鴨居の塗装は剥げる」
というのが我々専門家の常識です。
でも、今回のお客様のクレームでは見事にそこをつつかれました。
「いずれ剥げてくるとわかっていて、そのまま引渡しするのは非常識ですよね!」
グサッとナイフで刺されたようでした
もちろんそれに対する説明は出来ます。
「部屋じゅうを白くしたい、木枠も全部・・・というのがお客様のご希望でした。
メーカーの作る既製品建具なら、溝にかぶせる樹脂のカバーがありますが
造作建具にはそういう部材は無いんです・・・」
そんな説明は言い訳にしか聞こえません。
「メーカーと同じように工夫すればいいじゃありませんか!
出来ないとしたら、最初にちゃんと伝えてほしかったです!」
とかなりきついことを言われ、気分はどん底
私は信用されていないのかな・・・という気持ちになりました。
手直しすることはやぶさかではありません。
でも、ただ直すだけではお客様が抱いた私への不信感は消えないでしょう。
どうお答えすればいいか、言葉が出て来ません。
悔しい・・・
順序立てて説明なんて出来ない!
話せば話すほど言い訳っぽく聞こえるし・・・
ふいに「自分は発展途上で未熟だ」
というイメージが浮かびました。
そうだ、自分の感情を正直に話そう!
「鴨居溝のこすれが納得できないというクレームは、実は初めて言われました。
他の方は、私達と同様にこすれれば色が落ちるのはしかたないよねと理解しておられたようです。
でも、今回のクレームは私達が気が付かなかったことの発見です!
今まで対応する商品がなかったのはそのせいです」
「じゃあ、直せないっていうんですか?」
「いいえ違います。
こうして新しい気づきがあったからこそ、今初めて対応策を考えるチャンスが来たんです。
これはきっと建築の工法の進化です!
今までは、塗膜が剥げるのが嫌な人は、溝まで白い鴨居を手にすることは出来ませんでした。
でも、これからはこういう提案が出来ます!」
鴨居枠の溝にリアテックを貼ってみましょう!
薄いフィルムのリアテックなら建具の動きを妨げず、
すり傷に強いのできれいな状態を保てます。
その上色柄も豊富なので、木枠の塗装に合わせやすい建材です。
そんな方法に初めて気が付きました。
クレームという形で私に新しい気づきを与えてくれたお客様に感謝です。
もちろん探せば、造作の鴨居枠にはめ込む樹脂のカバーは市販されているかもしれません。
でも、格好良く作った注文建具の鴨居に『プラスチック』が挟まっているのは、
イメージするだけで残念な仕上がりですから・・・
今回思いついた
「鴨居溝にはリアテックを貼る!」という仕様は
5年後には業界の常識になっているかもしれませんよ。
マンションリフォームをお考えの方はエーゼン大塚建設でご相談いただけます。
お近くの方は永代ショールームまでお越しください。