施工概要
地域 江東区高橋
工期 19日間
費用 1,970,000円
施工内容
・元事務所をダンススタジオに改装
・既存下地を活かしたコンパクトな工事
お客様との出会い・ご依頼内容
「ダンススタジオにしたい物件があります、見積をお願いしたいのですが・・・」
江東区内でダンススクールを運営しているYANOKEN先生、そちらのスタジオマネージャー植山さんからメールをいただきました。
現在メインで使っているスタジオのビルオーナーが変わり、賃貸の継続が難しくなったのをきっかけに、自分たちが自由に使える物件を探していたのだそうです。ただ、自分たちの想いを反映してくれる施工会社がなかなか見つからず困っていました。
「防音対策はもちろんですが、予算の中でスタイリッシュにカッコいいスタジオにしたい!」
そうして施工業者をWEBで探しているうちに当社の施工事例を見つけたのだそうです。
ご連絡をいただいただけでも嬉しい事なのですが、その物件は当社の近く!不思議なご縁を感じました。
YANOKENスタジオに親近感も持って現地調査に向かいました。
YANOKENスタジオに親近感も持って現地調査に向かいました。
施工前
賃貸契約が出来るのか?
物件は高橋商店街(通称のらくろーど)に面するS造ビルの1階でした。
路面店舗なので振動対策は不要です。
防音工事についても前面は車の通行量が多く常に暗騒音がある上、両側も商店ですから多少の音漏れは気にならないレベルです。ダンススタジオには理想的な環境でした。
ただ、どんな物件も大なり小なり問題を抱えているのですね。賃貸契約の直前に漏水があることが分りました。
しかも、上階が賃貸ルームなので本格的な修繕工事はすぐには出来ないと元施工の建設会社から言われたそうで、オーナーさんも対処できずに困っていました。
「このまま賃貸契約をしてもいいのか心配で…」
YANOKEN先生とマネージャーの植山さんから連絡がありました。確かにこのままではYANOKENスタジオもビルのオーナー様もみんなが不幸せなままです。そこで、漏水原因の調査と修繕工事を当社に任せていただけないか、オーナー様にお願いしました。
(漏水調査と修理のいきさつはまた別の機会でご紹介します)
関係者の皆さんに元気を出してもらおうと思って、完成パースを作ったりしました。
やがて、皆の気持ちがまとまり、無事に漏水問題も解決しました。ようやくヒップホップスタジオ作りが出来るようになりました。
施工中
振動対策の必要がない安心の床施工
整骨院があったこの物件はタイルカーペット敷きでした。下地はしっかりしたコンクリートの土間。大きな床の傾きもなかったのでYANOKEN先生と相談してそのまま仕上げ材を貼っています。
ここで使用している床仕上げ材はマンションで使う防音フロア。色んな床サンプルを試してもらって決まりました。ダンスシューズを履いて踊る時の踏み心地がよかったのと、「カッコいいスタジオにしたい・・・」イメージからダーク系の色合いが決め手になりました。実は住宅用防音フロアを使ったた事でコスト削減にもつながっています。
防音壁ではなく、あえて一般壁
外部への音漏れはそれほど心配する必要のない立地でしたから、スタジオとエントランスを隔てる壁は防音壁ではなく一般壁にしました。
防音目的であれば、壁の重量をうんと重くするのが効果的です。2重壁にした場合は、壁と壁の間の空気層の厚さ(距離)があった方が音圧を下げてくれます。ここで作っている一般壁と、もともとあったガラスサッシの距離感が防音に一役買ってくれています。
ひとつ気がかりだったのは天井裏の2階の床(スラブ)です。
ALCの床板が敷いてあるスラブなので、コンクリートに比べると防音効果があまり期待できません。ただ、2階の賃貸住人さんが住んでいるエリアが重なっているのは、スタジオの奥の一部だけです。そこで、とりあえず天井は既存のままでオープンすることになりました。天井仕上げが1枚1枚簡単に外せるジプトーン仕様ですから、もしクレームが来た場合でも、天井を部分的に剥がして防音対策をすることが可能です。
壁も天井も、「後から簡単に防音対策が出来る柔軟なスタジオ」が皆のコンセプトになっていました。
かっこいい間接照明を付けたい!
YONOKEN先生がこだわっていた設備のひとつが照明。
「バレエスタジオとして使う時は開放型の蛍光灯、ヒップホップのレッスンではダウンライトとスポットライトがいい」と最初からイメージをお持ちでした。それが工事が進むにつれてもっとイメージが膨らんだようで、鏡の上に間接照明を付けることになりました。
途中からのオーダーなので、すぐ手に入る材料が必要ですし、とはいっても費用は抑えたい。そこで壁の下地に使うLGSのスタッド(間柱)を間接照明の箱として使いました。これが意外に良くて、コの字に曲げ加工されて強度があるため先端のラインが右から左までもピシッと通って綺麗。材料自体が薄いので全体がコンパクトにカッコ良く出来ました。
そこに仕込むLEDのテープライトは、スタジオの講師の先生が秋葉原のパーツショップで買い付けて来てくれました。PanasonicやODRLICなどの建材メーカー品とは比較にならないくらい安いので、次回から是非使ってみたいテープライトです。
クールなデザインの壁紙と幅広の鏡の取り付け
YNOKEN先生と植山さんがこだわって選んだ壁紙です。グレー系と言うイメージだけは最初から決まっていました。
鏡も今回は割り付けが上手くいって幅の広い(ジョイントの少ない)全面鏡が出来ました。
施工後
バレエスタジオで使う時
ヒップホップで使う時
エントランスと商店街からの全景
担当より
物件情報をいただいてすぐにGoogle Map で確認したら、なんと、のらくろーど(商店街)じゃないですか。あまりに良く知った場所なので嬉しくなって現地調査の前にこっそり外観を見に行ってしまいました。
「このスタジオは絶対うちで作りたい!YANOKEN先生と植山さんを応援したい!」
実際にお会いして、その思いはますます強くなりました。
YANOKEN先生は根っからのパフォーマー。内装仕上げに対してもご自身のイメージとこだわりをお持ちでした。そのクオリティに妥協することなく、壁紙は納得するまでいくつもサンプルを取り寄せ、現地に貼って見比べていました。工事中は蛍光灯色の照明しかなかったので、実際に使用する電球色のスポットライトを仮設で用意して検討していただきました。
YANOKEN先生が感性の人なら、植山さんは知性の人、とても頼れるマネージャーさんでした。先生と当社の間で予算や工程の調整、そしてビルオーナーやご近隣との折衝に積極的に動き回れていました。本当にいいチームです。
みんなで楽しくDIYする姿にYANOKENスタジオの魅力を見た!
工事前から、天井の塗装とエントランスのアルミサッシの塗装をDIYでやる!と聞いてはいましたが、実はちょっと心配でした。というのも天井は素人が塗るにはあまりに面積が大きいし、アルミサッシは養生や下地処理で手間暇掛かって大変ですから…。
そこで事前にふたつ、アドバイスしました。
DIYのタイミングは「養生をしなくてもいいように、壁の仕上げの前に天井を塗りましょう」
作業に集中して黙り込んでしまうとしんどくなりますから「DIYを成功させるには楽しくやるのがコツです。3人以上の仲間で挑みましょう」というふたつでした。
当日、残工事にかこつけて私も現場に行ったのですが、6人もお仲間が集まっていました。
最初は、どこから手を付けていいのかためらっていた様子でした。
他の作業をしながら、皆さんの様子をチラチラ伺っていると、ついつい助言をしたくなります
「ダメダメ!頼まれてもいないのに口をはさむのは野暮だ。ここはグッとこらえて見守ろう!」
そんな私の葛藤とは裏腹に、いつの間にか皆さんワイワイ楽しそうに天井を塗っていました。
その姿を見ていると、学園祭を思い出します。
「あぁ~、若い人たちって何をするのも楽しそうにやるな~、いいなぁ~」
と羨ましく眺めていました。
もう完全にオッサンですね(笑)
そうした、楽しそうなエネルギーは周囲を巻き込んでいきました。
ダンススタジオ『IMPACT』のお披露目では、スタッフと生徒さん達みんなが振る舞いの準備です。
歩行者天国の道路にBBQ台まで出して肉を焼いていました。しかもその手際のいい事!
もともとホコテンを利用したイベントを昔から実施してきたのらくろーど商店街なので、
こうした活気あるイベントはウェルカムでした。
秋にはホコテンでダンスパフォーマンスを披露。
40人以上の生徒さん達がのらくろーどを盛り上げました。
ダンススタジオ『IMPACT』さんは半年足らずですっかり地域に愛されるスタジオになっています。
これからIMPACTさんの活動がどんな風に広がっていくのか楽しみです!
【Dance Studio IMPACT さんからのご感想】
エーゼン大塚建設さんに相談する前、私達には課題がありました。それはダンススタジオ(しかもジャンルはヒップホップなどのストリートダンス)という事で、ある程度の防音対策を行うことと、限られた予算に納める事、だけどスタイリッシュでカッコいい内装にしたいという物です。
そしてダンススタジオの施工事例をWEBでリサーチしたところ、エーゼン大塚建設さんを見つけました。より具体的な事例を上げていらっしゃる事と、その案件に最適な方法を提案されている印象を受けすぐに連絡をしました。
他の施工会社はその会社のスタイルの工法ややり方で見積もられている中、エーゼン大塚建設さんは、限られた予算内で、確かな経験に裏付けられた沢山の引き出しの中からこちらの立場に寄り添って一緒に解決策や対処法を見出していただいたところが決め手となり工事を依頼することにしました。
スタジオを使い始めて総合的に非常に満足しています。実は当初、この物件はビル自体にある問題を抱えておりまして賃貸契約自体をすべきか悩んでいたところでした。そんな中、大塚さんがその筋のスペシャリストであることが分り、その問題を一気に解決してくださいました。ビルのオーナーさんと私どもからすると、まさに救世主のような存在です。大塚さんがいなければ、こうしてダンススタジオをオープンすることも出来なかったと思います。心から感謝しております。ありがとうございました。
今後も何かとお付き合いしていけたらと考えております。これからもよろしくお願いいたします。
Dance Studio IMPACT スタジオマネージャー植山真弓
Dance Studio IMPACT さんのHPはこちらから
「ダンススタジオの遮音性能を確認」の動画です
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