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自然素材・輸入壁紙を使った「住宅リフォームブログ」エーゼン大塚建設

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こんにちは!

自然素材・輸入壁紙を使った「住宅リフォームブログ」を運営している

東京都江東区のエーゼン大塚建設 代表の大塚健太郎です。

 

 

合板フローリングなら品質のばらつきもないので

住宅リフォームをしてもそんなに材料が残るという事はありません。

 

でも、無垢フローリングだと

自然の木を丸々削り出しているので

節目や木目がバラバラで統一されていません。

自然のものですから当たり前ですよね。

 

でもそれこそが無垢材の魅力です

 

写真 2015-11-24 16 08 28.jpg

 

 

ただ、そうは言っても美的でない節や木目もありますから

現地でフローリングを広げて

えり分けながら使うのです。

 

そうした理由で

無垢フローリングの場合10~15%ほど材料ロスを見込んで大目に発注します。

 

つまり、工事完了後に決まって材料が余ってくるのです。

 

 

 

でも余り材とはいえ立派な『無垢材』!

 

写真 2015-10-16 15 16 52.jpg

 

捨ててしまうのはもったいないです。

そのまま棚板に使ったり

裏にゴムを貼って鉢植えの台や鍋敷きに使ったり

これならDIYで簡単に楽しんで作れます。

 

 

でもちょっと手をかければその使い方はグンと広がります。

 

 

 

アクセントの家具として

 

IMG_5064.JPG

 

 

ウォルナットを使ったベッドサイドのシェルフ

配線のところには読書灯が付きます。

リビングで使ったウォルナットフローリングですが

寝室は絨毯敷きなのでフローリングのリユースには見えません

 

 

 

テーブルとして

 

写真 2015-05-05 16 33 28.jpg

 

21㎜のどっしりしたオークフローリングはネットで購入したアイアンの脚を付けてテーブルに。

それまで使っていた樹脂のテーブルは冷たくてペタペタしていました。

ドイツで塗装されたオスモのフローリングは肌触りも良くて

テーブルに腕をおいてもサラッとしています。

猛暑だったこの夏はその快適さを毎日感じることが出来ました。

 

 

 

ベンチチェストとして

 

写真 2015-11-26 15 50 50.jpg

 

オスモ&エーデル社の展示ブースで

ベンチチェストに加工してフローリングを紹介していました。

 

来場者がここに座りながらフローリングの説明を聞いているのですが

お尻が暖かで、手のひらでさわり心地を確かめられるので

これはいいな!と思いました。

 

そこで早速

写真 2015-11-27 14 41 08.jpg

 

バレエスタジオの隅に基礎を隠したでっぱりがあって、これがとても邪魔でした。

そこで天板にヒノキのフローリングを貼ってベンチにしました。

見学の小さなお子さんがちょこんと座るのに丁度いいと好評です。

 

 

いかがでしょうか?

いろいろ使い廻しの効く無垢フローリング。

オリジナルの家具など作ってみると楽しいですよ。

 

 

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こんな事を言ったら、外壁塗装専門の業者さんに怒られてしまうかもしれませんが

シーリングの打ち変えってしなくてもいいんじゃない?

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『外壁メンテ専門』とうたっている業者さんでは

たいがい提案する見積りに『シーリングの打ち変え』を見込んでいます。

 

 

一方、当社では基本的にシーリング部分は『増し打ち』で見積します。

 

 

専門の会社さんと話をすると

「えっ?打ち変えしないんですか?(信じられない~)」

驚いたように私の方をいぶかしげに見ます。

そんな風にみられると、なんだか手抜きをしているような気がして不安になってしまいます。

 

 

確かに雨漏りの現場を調査してみると

サッシ周りのシーリングが接着不良でダメダメな物件がありました。

 

 

上の写真がそうです。

手で引っ張るとピリピリッと簡単にシーリングが剥がれてきました。

 

 

こんなシールでは安心できません。

有無を言わさず打ち変えが必要です。

 

 

 

 

でも、コンディションのいいシーリングだと

何やっても剥がれて来ません

写真 2015-11-04 13 58 40.jpg

 

例えば雨漏れ事故のあったこの現場では

「とにかくサッシ周りは全て打ち変えよう」

そう方針を決めてスタートしました。

 

 

ところがこのシーリングのコンディションは抜群に良い!

 

 

ALCとアルミサッシにしっかりくっついて剥がれて来ません。

結局、カッターで両側に切込みを入れた上に

へらで突きながら少しずつ時間をかけて剥がしました。

 

 

粘り強い職人さんだからこそ続けられる地道な作業です。

 

 

そんな作業を見ながらふと疑問が浮かびます

 

 

「このシーリングって、ほんとに剥がす必要があるのかなぁ?」

 

 

工務店としては見積金額が高くなるので嬉しい内容ですが

ユーザーにしてみたら、必要もないメンテナンスに余計なお金を払っているだけかもしれません。

 

 

だからと言って

「シーリングの打ち変えなんて必要ありませ~ん!」

などとは、常識ある一級建築士としては言えません。

 

 

そこで、いろいろ考えて最近ではこんな風に提案するようにしました。

 

 

「見積もりではシーリング部分はサッシ周りは打ち変えて

それ以外の部分では全ヶ所チェックの上、必要なところを増し打ちする」

 

 

この方針であれば、まずはシーリングのコンディションを調査するので

不良部分のみを適切にメンテナンス出来ます。

必要最小限のコンパクトな見積もりに、

必要な作業分だけ追加費用としてプラスするわかりやすい明細なので

ユーザーも納得して代金を払えます。

 

 

シーリングの付着がしっかりしていれば

痩せて薄くなってしまった所や、紫外線で表面だけが劣化した所も

増し打ちだけで十分な手当が出来るんです。

 

 

そんな風に考えるられるのは、

外壁塗装専門で商売している訳ではない『ゆるさ』故かもしれません。

専門の方からするとやっぱり受け入れられない考え方でしょうね。

 

 

でもね、疑問に思ったことはちゃんと口にした方がいいと思っています。

自分の考えが正しいかどうか現地で確認したり、実証実験してみたり

自分で体験したことが一番納得できるし

ユーザーにも説得力を持って話せますものね。

 

 

最後にもう一度言っちゃいます

何の調査もせずやみくもにシーリングを打ち変える工事って無駄じゃない?

 

 

 

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リクルート社の調査によるとリフォームのきっかけは

「住宅設備が古くなった、壊れた」が40.6%でトップ

そして実際にリフォームした場所も「キッチン(台所)」が58.5%と

住宅リフォームにおいて台所改修は一番気になる場所のようです。

 

 

そのキッチン選びで

自分の好きなメーカーを選んでいいと言われたら嬉しいですよね

 

 

来店されたNさんご夫婦が憧れているキッチンはとてもユニークで

 

「引き出しとか扉はなくてもいいです、

シンプルなステンレストップで見せるキッチンにしたい!」

というオーダーでした。

 

 

つまりLIXILやクリナップ、タカラスタンダードのような

大手メーカーが作るキッチンではなく

ちょっとこだわりのあるキッチンという事です。

 

 

そこで最初に思い浮かんだのが

 

サンワカンパニーのオッソや http://www.sanwacompany.co.jp/shop/c/c121255/

同じくMUJI+KITCHEN http://www.sanwacompany.co.jp/shop/c/c1210/

toolboxのステンレスフレームキッチン など

 

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良い提案だと思ったのですが

シンプルだけど値段が高い。

 

これでは、Nさんの考えているキッチンのコンセプトとは違う。

 

じゃあ、ステンレストップだけ手配すればいい!

 

という事で探し当てたのが

E-kitchenのステンレスカウンター http://www.e-kitchen.biz/worktop/sus_worktop

確かにステンレスの加工に長けているだけあって

痒いところに手が届くカスタマイズをしてくれます。

 

でもやっぱり高い。

なかなかNさんに自信を持ってお勧め出来る商品が見つかりません。

 

 

行き詰まった私達はIKEAに行ってみました。

マサコさんがWEBの画像検索で見つけた理想的なステンレスキッチンがIKEA製だったからです。

 

でも

 

「その商品は廃盤ですよ」

意外なフロアスタッフの言葉に私達はガッカリしました。

でもせっかくお店まで来たので、ダメ元で聞いてみました。

 

「この展示商品で、

ステンレストップだけ欲しいなんてオーダーはありですか?

 

「単品ではダメなんです、うちは家具屋なんで。

でもコンロの下に引き出しキャビネットをひとつでも付けてくれればオーダー可能ですよ!」

 

写真 2015-09-03 14 10 46.jpg

 

素晴らしい情報でした。

 

IKEAでもステンレストップ部分は外注に出しているので

シンクやコンロの穴あけ位置、水栓の場所はカスタマイズできるし

天板の長さもオーダー可能だそうです。

 

その上、換気扇やコンロ、水栓も付けずに販売してくれるので

Nさんが自分で気に入った調理機器を別に購入して取付することが出来ます

 

 

この提案をした後

Nさんご夫婦はIKEAと無印良品に絞り込みました。

IKEAでは「メトード」で

無印良品では「MUJI  INFILL +」で

キッチンをカスタマイズしてもらいました。

 

 

「個人的にはシンク下はスカスカなのが好みではあったのですが、現実的に考えると・・・」

やっぱりキャビネットがあった方がいいと考えを改めたそうです。

 

 

最初は無印のキッチンが有力と仰っていたのですが

最終的に、IKEAのメトードで決まりました。

オプションの中には気に入った面材がなく

引き出しの前板をDIYで取り付けるのだそうです。

 

 

という訳で

カウンタートップの素材、調理機器、キャビネット、面材

全てにこだわってカスタマイズしたキッチン選びが完了しました。

 

 

まだまだ施工中ですが

Nさんご夫婦のオンリーワンのキッチンです。

出来上がりが楽しみですね。

 

 

IKEA/メトードを組み立てている動画です

 

 

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床暖房で堀こたつが作れるのか?

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打合せテーブル一杯に資料を広げて見積をしていると

玄関サッシの向こうに人の気配を感じました。

にこにこしながらショールームを覗いている男性に、こんにちはと声をかけると

「建材を見せてもらってもいいですか?」と言って入ってこられました。

 

 

輸入壁紙を見せてくださいとか、珪藻土の塗り壁やエコカラットが見たいとか

そういうご希望は良く聞きますが

「建材が見たい」という言い方はあまり聞いたことがありません。

 

 

この方は建築関係の人かな?

職人さんでもなさそうだし、設計士にも見えない。

でも、空間デザイナーならありかな?

 

 

「いえ、僕は建築関係ではないんです、IT関係でして・・・。

中古の戸建てを買って、のんびりリフォームしている最中なんです」

 

 

今住んでいるところが別にあるSさんは

特に急ぐ事情もなく、少しずつ自分のこだわりでリフォームを進めているのだそうです。

「建材と言うのが床暖房なんですが」

「あっ!先日お電話いただいた方ですね!」

作業中の資料を方付けていたマサコさんの大きな声に、私はビックリしました。

 

 

確かに、不思議な電話がありました。

掘りごたつの熱源にプリマベーラを使えないか?という前例のない問合せでした。

 

 

メーカーに問い合わせを勧める

 

薄い電気フィルム式床暖房のプリマヴェーラを堀こたつの凸凹なりに曲げながら設置しようと考えているそうです。

ただ、元が薄いフィルムなので折ってしまったら断線しかねません。

とても大丈夫ですとは言えません。

 

60㎝くらいの短いフィルムを堀こたつの底や立ち上がりの面ごとに設置する方法が良さそうですが

短すぎるフィルムを使って、温度が上昇しすぎるとか

温度のコントロールが出来なくても困りますから

「一度メーカーのアルシステムに問い合わせされてみてはいかがですか」

とマサコさんが電話でアドバイスしました。

「永代ショールームには現物サンプルが置いてありますし、代表がいれば施工要領も詳しくお話しできますよ」

 

 

そのSさんが突如来店されたという訳です。

すばやい行動力に驚かされました。

 

 

オーナー自らリフォームを指揮する分離発注の悩み

 

購入した物件は、電気、設備、下地工事、内装仕上をそれぞれの専門工にバラバラに依頼する分離発注スタイルでSさん自身が直接交渉して進めているそうです。

「それなのに、プロの方に相談するのは心苦しいんですが・・・」

「いえいえ、うちはDIYをやりたい人を応援していますから大丈夫ですよ。

youtubeもDIY目線で投稿してますからね」

 

実際Sさん以外にも、

アイアン塗料の塗り方を知りたいとか、ウレタン防水は何を買ったらいいのかとか、

DIYに関する問い合わせが沢山あります。

 

そんな訳でSさんとのDIY談義は盛り上がっていき、やがてWEBショップの話になりました。

 

 

今回の床暖房プリマヴェーラについてSさんがメーカーに問い合わせすると

直販はしていないと言われたそうです。

「じゃあ、本当に堀こたつに使いたい時は当社が代理店ポジションになって商品を取り寄せればいいですね」

「そんなお願いを工務店の方にするのは申し訳ないんですが・・・」

 

 

今は工務店にもエンドユーザーにもワンプライス(同じ価格)で直販するWEBサイトが増えて来ています。

輸入建材を扱う老舗のADVANも以前は建築商社を経由した値引き販売をしていましたが

今ではワンプライス販売に変わっています。

 

 

「自分の好みの建材を、好きに選んで自由に買えるようになったのは嬉しいことだけど、

支給品で工事をしてくれる職人さんを探すのが大変なんです

確かにそうでしょうね。

新築やリフォームで工事全体を工務店さんに依頼していれば支給品の取り付けもしてくれるでしょう。

でも、分離発注の上に材料も支給となると対応してくれる会社は少ないでしょうね。

 

 

当社にしてもDIYを応援して、いろんなアドバイスはしてあげられますが

分離発注の小工事のお手伝いはちょっとお受けできません。

経費倒れになってしまいますので。

 

 

「当社のお客さんの例ですが、私が忙しくて動けなかった時にシルバー人材センターに依頼して急をしのいだ方がいます。

シルバー人材センターに依頼するのもいいかもしれませんよ

「そうか、その発想はなかったです」

「もし、満足の行く出来だったら私にも教えてくださいね(笑)」

 

そんな話をしてSさんは帰られました。

床暖のこたつ、上手く出来るといいですね。

 

 

 

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東京都江東区のエーゼン大塚建設 代表の大塚健太郎です。

 

 

「今から9年前、2005年11月にマスコミ報道等で発覚した「耐震偽装マンション・ホテル事件」とはなんだったのか。疑惑の中心にいたとされる元ヒューザーの小島進氏が、事件の真相を赤裸々に明かす。

『偽装 「耐震偽装事件」ともうひとつの「国家権力による偽装」』

と言うコピーに惹かれ、先週この本を読みました。

 

 

当時世間は「ヒューザーも偽装に加担し、小島氏はその首謀者だ」と言う論調でした。

私も建築に携わる者として、姉歯氏と小島氏には強い憤りを感じていました。

ですから10年たった今、小島氏がどんな真相を語るのかとても興味深かったんです。

 

 

そんな過去の偽装問題に思いを寄せていたところ

今週、横浜でデータ偽装のマンション問題が発覚しました。

 

なんでいつまでたっても偽装がなくならないんでしょうね。

 

こんな不正は私のゼネコン監督時代は考えられませんでした。

施工技術も上がり、PCでデータ処理も早く正確に出来るようになっているというのに・・・

もしかすると工事現場のデジタル化が災いしてるのでしょうか?

 

 

昨晩、データ偽装のニュースを見ながら27年前の新入社員時代を思い出していました。

杭工事のトラブルに関するエピソードがふたつあったからです。

 

写真 2015-10-16 22 38 45.jpg

 

私の最初の赴任地は広島でした。

海を見下ろす井口台の寮から、宮島を通り、山口県大竹市まで通う新築マンションの現場監督でした。

 

ひとつめのエピソードは、そこで使用したPC杭のトラブルです。

 

横浜のデータ偽装の杭は現地でコンクリートを打つ『場所打ち杭』ですが

PC杭は工場で作ったパイプ状のコンクリート杭です。

重機のドリルで穴を掘り、開けた穴にPC杭を打ち込む工法です。

 

 

所定の深さまで杭を打ち込む確認のために

運び込まれた杭にスプレーで1m・2mとマーキングをしていきます。

こうすれば打ち込み中の工事写真に、現在何mまで杭が打ち込まれているのかが記録されます。

 

 

ところがある時、打ち込み中の杭が途中で止まってしまいびくともしなくなってしまいました。

海に近い現場で地盤が軟弱だったのか、掘った穴が途中で崩れてしまったようです。

地中に入りそびれたPC杭は煙突のようでした。

新入社員の私はおろおろするばかりで、とにかく主任に報告に行きました。

すると主任は「まいったな」とぼやいた後、どこかに電話をかけ始めました。

 

 

翌日、25Tのクレーン車と見慣れない機械が現場にやってきました。

ドーナッツ状の機械をクレーンが吊りあげて、輪投げのように煙突にかぶせます。

ブワーンと油圧機械が動き出すとドーナッツから歯が押し出され

グシャグシャ音を立ててPC杭を壊しました。

 

 

PC杭が地面まですっかり壊れると、翌日その横に新しいPC杭が打ち込まれました。

今度は所定の長さが打ちこめて大成功です。

 

 

「大塚~!新しい杭の位置を図ってこい!」

私が図面に落とし込んで事務所に戻ると、主任は今度は設計監理をしている設計事務所に電話をしました。

後日設計から送られたのは、打ち直した杭で計算し直した基礎の補強計画でした。

 

「大塚~!こっちの図面でフーチン(基礎)が大きくなった!間違えたらあかんぞ!」

 

 

事務所でドカッと椅子に座りっぱなしで、ほとんど現場に出てこない主任でしたが

トラブルがあった時の対応は見事でした。

杭が使い物にならなくなった時、

きっと工程の遅延や余計にかかる費用の事で頭を悩ませたと思います。

でも、そんな困った顔を一切出さず淡々と電話をかけ対応策を講じていました。

 

 

不適切な杭を解体撤去 ⇒ 新しく杭を打ち直し ⇒ 設計事務所に構造計算を依頼

 

 

そこには、データ偽装しようなんて発想はみじんもなかったでしょう。

工期が遅れるからとか

予算が厳しいからとかの『事情』で

見て見ぬふりをすることはありませんでした。

 

 

実はこのあと、打ち込めない杭が2ヶ所に出てしまいました。

もちろん最初の杭と同じ対応をして工事は進み、工期も予定通りに竣工できました。

 

 

現場監督としてしなければならない事を、私はこのタフな主任から教えられました。

 

 

 

 

ふたつ目のエピソードは4年後東京支店に異動になってからです。

 

西新宿5丁目で作る事務所ビルの新築工事現場に配属されました。

そこは丁度真下を大江戸線が通る場所で

15m以上深く杭を打つことが出来ませんでした。

 

 

そこで採用されたのが場所打ちの拡底杭でした。

直径1200㎜で堀始め、杭底の手前から直径1800㎜に広げる(拡底)という杭でした。

これをなんと手掘りで行うんです。

 

 

工事の手順はこうでした。

地下駐車場部分を重機で根切り(掘削)して8m掘り下げます。

その後、根切り底でやぐらを組んで井戸を掘るように縦穴を手で掘っていきます。

 

 

今回の支持層は厚い礫層(れきそう)で礫の大きさは20㎝もありました。

機械で掘れない理由がこの礫層であったと思います。(当時ちゃんと質問しませんでした)

礫は崩れやすく、そのうえ拡底する杭は重機作業には向かなかったのでしょう。

 

 

さらに私達の行く手を阻んだのが地下水です。

方南通りと山手通りの交差点から近いこの場所は、高台のように感じますが

地下水位はマイナス6mと思ったよりも浅い場所でした。

実際周辺の家には、当時井戸水をくみ上げていたお宅もありました。

 

 

地下水対策に効果的なシートパイルで土留めをしていたものの

根切り底付近では水が出始め

どんどん水が上がって来るの水を処理するために

6台の水中ポンプを24時間フル稼働してしのいでいました。

そんな危うい状況がいつまでも持つはずもなく

ある時、ポンプのオーバーワークで電気のブレーカーが落ちてしまいました。

翌朝現場は3mの池になっていました。

 

 

重機の引き上げが1日遅ければ、ユンボが2台水没しているところでした。 

 

 

それ以後は発電機を追加して、電力をカバーするようにしました。

ただ8時間で燃料がなくなってしまうので、

200リッターのドラム缶に燃料をストックしておき

所長と私と交代で8時間おきに給油を続けました。

 

 

さて、そんな過酷な現場での杭工事管理はどうしていたのだと思いますか?

 

 

杭底確認は若い監督の仕事です。

つまり私が杭底まで降りて行って、支持層の状態を目視し、直径を測り、深さを測り、写真に納めます。

 

 

でもその作業は恐ろしかった~

 

 

周りでは他の杭を掘っているハンマードリルの音で職人同士の声も良く聞こえません。

「大塚さん、掘れたよ、確認して」

杭工事の職長の大声に促されて杭のそばに行くと、

すでに職人さんは上がってきていて誰もいない杭底で水中ポンプがグワングワン唸りを上げています。

横には組み立て済の鉄筋籠が準備されていて、私の杭底確認が終わるのを待っています。

 

 

2本の水中ポンプのホースをよけながら狭い縦穴を梯子で降りていくと、

礫の間から漏れ出る水が上の方から落ちてきます。

あまりに狭い穴なので、一人しか降りれません。

濡らさないように気をつけていた黒板も

写真撮影の頃にはすっかり濡れて、字も見えにくくなっています。

 

 

「もし、いま電気が落ちたら俺は溺れるのかな」

うす暗い縦穴の中で不安な思いもよぎります。

 

 

何とか写真を撮ったら、もうこんなところに用はありません。

ダッと梯子を上り職長に

「いいよ!」と合図すると

縦穴から水中ポンプが引き上げられ、代わりに鉄筋籠が吊り下ろされていきます。

鉄筋籠の設置が完了する前に水は半分以上も上がってきています。

あぁ、おっかない。

こんな確認作業を全ての杭で20回以上繰り返しました。

 

 

当時はWIN95が発売される前です。

現場にはワープロすらないアナログな時代です。

おっかない杭底確認検査ですが、データをねつ造しようとか前の杭の写真を使いまわそうとか

そんな発想は誰ひとり持ちませんでした。

 

 

ちなみに、横浜のマンションでは杭に使うセメント量まで不足していたそうですが

これも考えられない事です。

 

 

西新宿の現場では、杭底確認が終わり鉄筋籠が設置されると、

続けてコンクリートが打設されます。

その生コンを発注するのは若い監督(私)の役目です。

 

 

事前に数量を計算しておいて、万が一に備えて少し多めに生コン工場に発注します。

現場に来た生コン車のオペレーターからJISコンの伝票(JIS規格適合のコンクリート)を受け取り

それを杭ごとにファイルして品質管理書類を作ります。

 

 

パソコンが普及する前は、そうした現場監督の必死の管理で現場の品質は保たれていました。

 

 

それがなんでこのような偽装が起こりうるのか

私には理解できません。

 

 

マスコミの論調は、実際に施工した技術者や杭施工会社を非難しているようですが

工事の元請けゼネコンがちゃんと管理していればどのような偽装もふせげた様な気がしてなりません。

 

元請の監督さん、しっかりしろよ!

 

 

 

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